2005年


あるところに女の子が住んでいました。


それはとても太った女の子でした。




だけど、それはすごく、すごくやさしい女の子でした。









できそこないのこんぺい糖  【01】





−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


ドスッドスッドスッドスッ・・・・




いやーー!!遅刻だーー!!
今日から新学期なのに初日から遅刻なんて!
それでなくてもめだつのにぃーー





栄田 華(さかえだ はな)


身長154cm

体重67kg


ついでに、今日から高校2年生


身長に見合わないこの体重のせいで
からかわれたこともしばしば・・・
だけどあたしは負けません!
持ち前のあかるさと活発さで今ではクラスの人気者

・・・とまではいわないけど、
まぁ、普通の高校生ライフを満喫しているわけです






  「華ちゃーん!おはよう!」
華 「あっ愛ちゃん、おはよう!」


愛ちゃんこと

高田 愛(たかだ あい)

身長166cm

体重43kg


あたしたちは親友


どこまでもかけはなれた見た目の
どこまでも仲のよい2人が校内で目立たないわけがなくって
・・まぁ正確に言えば目立ってたのは愛ちゃんなんだけど
2人でいれば比べられるのはあたりまえ
でも、そんなの気にしない



あたしだってもとから人目を気にしなかったわけじゃない
からかわれて泣いたことだってある
そんなときにいつも母から言われた言葉

「華ちゃん、人はね中身なのよ
 華ちゃん、人より少し太めだけど、あ、かなりか
 あっいや、ううん、それでも、中身だけは誰よりも負けない女の子になりなさい」


あたしはそのときに決心したんだ



どうせデブならやさしいデブになろう!



そしてあたしは人にやさしいデブをめざした
やさしい、やさしい・・・デブ  を






愛 「華ちゃんってば新学期から遅刻しちゃうよー」
華 「まだ走れば間に合うよ!」


タッタッタッタッ・・・
ドスッドスッドスッドスッ・・・




ハァハァッ・・・なんとかぎりぎりセーフ
あー、ちょっと汗かいちゃった
まぁ、、いっか!






始業式のあとはお決まりの自己紹介


あっあたしの番!


華 「栄田 華です!
   少しばかり暑苦しいかもしれませんが
   一年間よろしくお願いします!」

  「イェーイ!!」
  「よろしくーー」

なぜか盛り上がる教室
どうやら自分の体系を素直に暴露した華を
みんな気に入った様子
そう
華はなんだかんだいっても
「人から好かれるデブ」なんです




愛 「高田 愛です
   えっと、、よろしくお願いします」


  「ぅわっかわいー」  「まじかわいいー」






  「ねぇ」

自己紹介が終わったあとのHR中
隣の男の子が華に話し掛けてきた



華 「はい!なんでしょ?」
  「あのさぁ、なんで自分の体系さらけだすの?
   デブっていやじゃないの?」


・・・なんて直球・・・
彼の名前は 木元 猛(きもと たける)
名前からして強そう

今までここまでの球をなげる相手はいなかったらしく
かなり当惑気味の華・・・


華 「はっ?・・・はぁ、まぁ」
猛 「いやじゃないの?デブがよかったの?」

華 「いや、そういうわけじゃ
   でも隠してもデブはデブだし♪」



華は明るく切り返しニコっと笑った
もともと目鼻立ちの悪くない華は
太ってこそいるが笑うと普通にかわいい




猛は華の笑顔をじーっとみて一言





猛 「ばっかじゃねーの」


【02】    HPトップへ

女の子お絵かき掲示板ナスカiPhone修理